top of page

更新日:2024年12月22日

早朝、週末のメトロは空いていて快適だ。街はまだ完全に眠りから醒めていない。

13番線はクリシーあたりが数日工事らしい。ホームの次発時間が×マークに点灯している。初めて見た表示だ。だがポルト•ド•ヴァンヴに向かう僕には関係ない。逆方向なのだ。


時差ぼけの浮遊感を追い払うように、地下鉄に揺られながら今日一日の予定を頭の中で確認する。日本で運動をサボったツケを払うことになりそうだ。今日は幾つかの蚤の市をハシゴする。


この季節、スタートはまだ暗い。まばらなスタンドとエスプレッソや紙巻き煙草の香り。朝の蚤の市の匂いだ。ポケットに忍ばせてきた懐中電灯を点灯する。今年新調したライトはルーメンと照射範囲が理想的だ。ちまちま照らしていてはモノは見つからない。こうして僕の一日の仕事が始まる。


あらかたもの探しに目処がついた頃、S子さんと再会。今年は9月の買付をスキップしたから約半年ぶりだ。けれど特段久々という気がしない。お互いごく自然におはよう、だ。


けれどこの日は移動しなに近況報告をゆっくりできた気がする。仕事の話というより、もう少し個人的な事や、今の心境など。バスでゆっくり移動しながら、昼食をたべながら、忙しく仕入れをする最中にそんな時間が心地よかった。

こんな機会は久々な気がする。


最後、彼女はバスに飛び乗ってお互いさよならもろくに交わさなかったけれど、それも僕たちにとってごく自然な、'らしい'さよならなのだ。また年末に日本で忘年会でもできたら。











 
 
 

最新記事

すべて表示
020  1993と夏

あれは今から30年以上前の話 (今回もアンティークには関係ない話・・・)  わたしは一族の一番末っ子でして、当然' いとこ' の中でも一番年下の存在でした。一番上がお姉ちゃん姉妹、次に男二人兄弟、そして兄、というわたし含め6人という構成。一番上のお姉ちゃん姉妹とはそれなりに...

 
 
 
019 遅すぎる備忘録 2 ステーキの会

主戦場の前に恒例のステーキの会。かれこれ10年以上通うリブロースのステーキ専門店である。メニューは薄切りのステーキ・フリットのみ。オーダーは焼き加減の希望だけ伝える。前菜のサラダがついてる。まずはサラダがサーヴされそれを終えると自家製ベアルネーズソースに絡められたステーキが...

 
 
 
018 遅すぎる備忘録

買付けから戻って慌ただしく過ごしていました。やっと手元の手帳を開いて記憶を辿りながらキーボードをカチカチと叩いている次第です。  本当ならフランス滞在中に恥じらいもなく生の感情ありったけ乗っけのスピーディな更新をしたかったのだけれど。移動と梱包に追われてしまい毎日バタンキュ...

 
 
 

コメント


bottom of page