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  • 2024年11月15日
  • 読了時間: 3分

更新日:2024年12月22日

街から街へ。いくつかの都市を移動しながら仕入れが続いている。早朝から仕入れが始まり重い戦利品を抱えながらの移動。途中に梱包と発送をこなす。この数日は昼食さえとれない程に忙しない日々だった。


たくさん歩き、頭も使う。疲労の質は深く、アドレナリンの分泌だけを頼りに乗り切る。覚醒が切れると'ヤジロベイ'がバランスを崩すようにあっけなくベッドに沈む。起きると全身が筋肉痛だ。


タイトなスケジュールだが街の風景,現地の人々の営みの中を駆け抜けるのはどこか愛おしい。疲れ切った体をタクシーのシートに埋めながらパリで輝き出したノエルのイルミネーションを眺めていた。


大きすぎるベンツのドライバーは僕にTGVの発車時刻を聞く。何時だ?そうか、パ・プロブレム。10ミニュ。一方通行だらけのパリの街の渋滞を掻い潜るように右左折を繰り返す。


姿勢の良い中国系のいかにも仕事ができそうなドライバーの運転に身を任せていると、全てがウォン・カーウァイの映画のような気がしてくる。


パティスリーやブティックが煌めく。モメントがスローに僕の脳裏を通り過ぎていく。


息が白くなりつつあるパリの街で、僕は1人、自分に何の後ろ盾もなく今この光景を眺めている。心地よい疲労を感じながら、だ。


モンパルナスの長い連絡通路、メトロの階段をかけ登り見える街路樹、タクシーから眺めるビストロのギャルソン,テラスで談笑する人々、数えきれないモメント。


イヤフォンから聞こえるWasted Nights。

(ONE OK ROCK)

沢山の人々の間をすり抜けながら、心の中で僕もつぶやく。


Must be something in the water

Feel like I can take the world

Throw the weight up on my shoulders

'Cause I won't even feel the burn

Don't be afraid to dive

Be afraid that you didn't try

These moments remind us why

We're here, we're so alive

Let's live like we're immortal

Maybe just for tonight

We'll think about tomorrow (yeah) when the sun comes up

'Cause by this time tomorrow

We'll be talking 'bout tonight

Keep doing what we want, we want, we want no.

more wasted nights.


'水の中に何かがあるに違いない

世界を征服できるような気がする

肩に重荷をのせよう

だって燃える感覚すら感じないから

飛び込むのを恐れないで。

挑戦しなかったことを恐れるな!

こんな瞬間が、なぜ僕たちがここにいるのか。

僕たちは生きているのかを思い出させてくれる。

不死身のように生きよう。

今夜だけかもしれない

太陽が昇ったら明日のことを考えよう

だって明日の今頃には

今夜のことを話しているだろうから

やりたいことをやり続けよう、やりたいことを。無駄な夜はもうない'



僕はまた移動を繰り返す。

今夜のことをまた明日話すために。




 
 
 

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